【IHとガスを比較してみる】料理や料金に違いはある？光熱費の違いも！

お引っ越しを検討している友人から相談されました。

IHとガスはどっちがいいの？

主婦からしてみれば、キッチンをどうするかは大問題！料理や料金に差はあるのでしょうか？光熱費にはどれだけ違いがでるのでしょうか？

一応プロの料理人として働く私ですが、数回の引っ越しを経てIHクッキングヒーターとガスの両方を使った経験があります。

その経験を生かして、徹底的に比較してみたいと思います！

ちなみに私は職場ではガスしか使ったことがありません。建物や消防法の関係でIHしか使えないレストランも今はあります。

ここでは家庭用のキッチンについてまとめていきます

【IHとガスを徹底比較】仕組みを比較する！

そもそもIHクッキングヒーターとはどういったものなのでしょうか？

IHクッキングヒーターとは？

IHクッキングヒーターの熱源は電気が起こす「電磁波」です。

電気によってうずまき状の電磁波を起こし、

その上に専用鍋を置く「抵抗熱」で発熱しています。

IHクッキングヒーターとは？　〜ベスト電気ホームページより引用〜

IHクッキングヒーター専用鍋で効率的に料理できる

IHクッキングヒーターの調理ではIH専用鍋が効率的に調理できます。

電気抵抗を起こす素材の専用鍋でないと発熱されないからです。

「IHでも可」という鍋やフライパンも使えますが、

底部分が0.1ミリでも曲がっていると電気抵抗が起きなくなります

ので、効果的に鍋を温めることができません。

専用鍋は、電気抵抗を起こしやすく、さらに熱でまがったりしないように底部分が厚く作られています。

また機種によって、使用できる鍋の底辺の直径、重さなどが決められています。使用の際には取り扱い説明書を必ず読みましょう。

[chat face=”9ED4BA5E-6710-4088-ACFA-5A10A2B8B612.png” name=”すばる” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]つまり、ガスからIHクッキングヒーターに替える場合は、鍋を全部専用のものに取り替える必要があります。[/chat]

ただしフライパンでも重くて持ち上げるのに一苦労。鍋振りなどはできないですし、鍋をIHから離してしまえば熱が伝わりません。

炒め物などは両手にヘラを持って常に手を動かし炒めるのが1番早かったです。

IHクッキングヒーター誤使用や不注意で発火も～東京都消費生活センターより引用

IHクッキングヒーターには専用鍋が安全

IHクッキングヒーター専用の鍋を使用すると、IHクッキングヒーターにぴったりと鍋の底部分がつきます。熱の伝わりも早いですし、安全装置も正常に作動してくれます。

安全装置は鍋が熱くなりすぎた時に自動で火を止めたり弱めたりする機能です。

専用鍋を使用した方が光熱費も安くすみ、しかも安全です。

IHクッキングヒーターは全口同時にフル稼働はできない。

IHクッキングヒーターには使える電力の量が決まっていて、それ以上を使うことはできません。

なので、IHクッキングヒーターを全口フル稼働させようとすると、どこかの口の電力が自動的に下がります。

また同時に電子レンジを使おうとするとブレーカーが落ちるので、IH使用していた当時は電子レンジの電源を他のエリアから延長コードでもってきてました。

私がIHクッキングヒーターを使用していた時、1番困ったのは全口フル稼働できないことでした。

IHクッキングヒーター（オール電化）にすると火災保険が安くなる？

IHクッキングヒーター（オール電化）住宅は火災保険が、ガスの住宅よりも安くなります。また、新しくおうちを建てる時にオール電化にすれば、様々な控除が適用されたり、補助金がでる場合があります。(自治体によって、差があるようです)

IHクッキングヒーターは、有事の際の復旧が早い！

東日本大震災の時、被災地で一番早くに復旧したのは電気でした。ちなみにガスや水道ははすべてのガス管水道管の点検などが必要で復旧まで時間がかかります。

IHクッキングヒーターの電磁波は安全？

IHクッキングヒーターの電磁波は人体に悪い影響はないとされていますが、私は個人的には心配だったので電磁波を撥ねるという専用のエプロンをつけていました。

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ガスとは？

ガスは明治時代より日本で熱源として利用されてきました。現在はマレーシアなど海外から航路でガスを輸入し、ガス特有の匂いを添加してから各家庭にガス管またはポンプを使って送られています。

ガスの匂いは元々は無臭。あの匂いは後から添加されているのです。人が危険を感じる匂いを調べ上げて、あの匂いになったそうです。

ガスコンロは鍋を選ばない

ガスコンロでは基本的にどんな鍋での使うことができます。ただし、2008年より条例でガスコンロの真ん中に安全装置の設置が義務づけられました。

全口安全センサー搭載、燃焼効率も改善され省エネ性も向上しています～日本LPガス協会ホームページより引用

このボタンが鍋底の温度を計っていて、鍋の温度があがりすぎると自動で火が消えるようになっています。

このボタンに鍋の一部がくっついていれば大丈夫ですので、多少鍋が歪んでいても使えます。

ガスコンロの安全機能は進化している！

また鍋がボタンの上にのっていないと火をつけることはできません。

海苔を炙る、お魚の叩きなどを作る時には、この安全機能により鍋なしで火をつける事ができないと不便になります。そういった場合にはこのボタンの安全装置を一時的に切ることができます。(高温あぶり機能)

ガスコンロ事故、古い製品で多発。安全機能つきに買い替えを～日本消費者新聞より引用

ガスコンロは全口フル稼働できて、同時にグリル調理もできる。

ガスコンロはIHクッキングヒーターのように制限がないので、上の3口をフル稼働しつつグリルでの調理をしても全然大丈夫。食べ盛りがいる家庭ですので、これは本当に助かります。

ガスは有事の際には復旧に時間がかかる

東日本大震災の際、仙台市において都市ガスの復旧にはやく1ヶ月半かかりました。東京都下でも復旧に7日かかったと言われています。

昔に比べればかなり早くなったのことですが、電気が数日で復旧したのを考えればどうしても時間がかかるなぁという印象はぬぐえません。ガス管を全て点検してからとなるので、時間がかかってしまうのですね。

大規模地震発生時の都市ガス事業者の対応について～東京都地域防災計画より引用

ちなみに現在の家庭用ガスコンロは震度４以上の地震を感知するとガスは自動で止まりガス自体の供給もストップします。

昔は「地震だ、火を消せ」と言われていたようですが、今はまずは自身の身を守るのが先ですね。

また、ストップしたガスメーター（マイコンメーター）は各家庭で簡単に復旧できます。

ガスメーターの復旧方法について～東京ガスホームページより引用

【ガスとIHを徹底比較】料理や味に違いはでるか？

ガス会社と電気メーカーの主催する比較料理教室に行ってみたことがあります。これはあくまで個人の印象です。

 ガス会社での比較料理体験

餃子と鶏肉のグリル、舞茸の天ぷら、自動炊飯、の同時調理を見せてもらいました。IHクッキングヒーターでは電力の制限があるので、ご飯以外の3品を。ガスは制限がないので、3品+ガスコンロの自動炊飯機能でご飯も炊いていました。

20分後、ガスは全部4品完成しましたが、IHクッキングヒーターでの調理は鶏肉は火が通っているかギリギリの状態、冷凍餃子は上の方がまた焼けてないところがありました。

また、ガスコンロは全口フル稼働調理ができます、といっても一般家庭でそこまで必要とされるかは疑問です。

でも、IHクッキングヒーターの調理では専用フライパンを使用していなかったのでちょっとズルいなと思ったのを覚えてます。

IHクッキングヒーターのメーカーでの調理体験

IHクッキングヒーターのメーカー主催の体験調理ではガスとの比較はやっていませんでした。鶏肉のローストなども見せてくれましたが小さめにきってある肉を使う、揚げ物も少量だけ行うなどの工夫をしていました。専用鍋で調理していたので、思っていたよりも完成が早いなと感じました。

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【IHとガスを徹底比較】料理と味に差はでるか？

ガスとIHクッキングヒーターの両方を使っていた立場からすると、料理や味に差はないと感じます。

ただしIHクッキングヒーターを選ぶ場合には専用鍋を使用することが条件です。専用鍋ならガスにも劣らずの火力をつかうことができます。

また、IHクッキングヒーターでは調理の順番、食材の切り方、下ごしらえの仕方を工夫する必要があります。IHクッキングヒーターでガスコンロの時と同じ用に調理しようとしてはいけません。

もしあなたがガスコンロからIHクッキングヒーターに切り替える場合には、鍋だけでなく調理の仕方やメニューなども含めて切り替えるつもりの方がいいかもしれません。

【IHとガスを徹底比較】光熱費に差はあるか？

IHとガスで光熱費に差があるか調べてみました。

IHクッキングヒーターのオール電化マンションでの光熱費

前に住んでいたマンションがオール電化でしたので、すべてが電気熱源となり、光熱費の請求も電気と水道だけでした。IHクッキングヒーター単体にどれだけ電気料がかかるのかはわかりませんでしたが、家族３人３LDKで月に２万〜３万円でした。

ガスコンロを使った普通のマンションの光熱費

今住んでいるアパートではガス会社で電気もまとめて払っていますが、電気とガス合わせて毎月1万円前後～2万円くらいです。(2LDK3人家族、冬期の方が光熱費があがります。）

IHとガスの光熱費単価一覧表

しかし、１kWhあたりの料金単価を見ると

都市ガス：11.86円

プロパンガス：27.86円

IHクッキングヒーター（昼間）25.92円

IHクッキングヒーター（夜間）12.16円

〜「エネチェンジ」ホームページより引用〜

【IHとガスを徹底比較】まとめ

ガスとIHクッキングヒーターを両方使ってきた経験から感じたことを書いてきましたが、まとめるとこのような感じです。

• ガスコンロの方が早く何品も一緒に調理ができる。
• ガスの方が若干光熱費が安くすむ。
• ガスコンロの安全機能は進化している。
• IHクッキングヒーターの購入には補助金がでたり火災保険が安くなったりする。
• IH専用鍋を使えばガスに負けない火力で調理できる。
• IH専用鍋を使えば事故になりにくい。

…ガスをIHクッキングヒーターのどちらがよかったか？と聞かれたら、私はガスの方がいいと感じました。

IHクッキングヒーターは子どもが生まれる前に使っていたのですが、その時は不便は感じませんでした。夫婦２人の食事を作るなら充分です。

でも今は食べ盛りの男の子2人の食卓を支えるのには、ガスコンロでないと間に合わない、というのが私の印象です。

でも、例えばいつか子ども達が成長して年寄りだけの所帯になり、昔のように何品も作っても食べられない…となれば、またIHクッキングヒーターの住宅に住むのもいいのかもしれません。

それぞれの生活スタイルによって、一番よい方が選べることができればいいと思います。

皆さんの参考になれば幸いです！